「日本で株式投資をするなら投資先の情報がよくわかる日本株の方がいい。それに外国株はどんな企業があって、どんな企業がいい企業なのか、その企業が今どんな販売活動をしているか、知らないだろうし、分からないから、難しいよ。」っていうようなことを言われた経験はありませんか。
でも、それって本当なんでしょうか?
お国が情報発信を制限して、共産党が一党独裁でお国を統治している中国の場合は、ある程度、その「情報が得られない。企業の実態が分からない。」というのは理解できます。(そもそも中国が発表するGDP数値が正確とは誰も思っていない、っていうぐらいですから。)
でも、アメリカの企業の場合はどうですかね?
アメリカ企業の製品やサービスは、日本に深く浸透し、そのほとんどが身近なモノとして日本人が普通に使い、生活にも欠かせないモノばかりじゃないですか?
とすると、我々、日本人の生活の風景から、アメリカ企業の製品やサービスなどの状況を、いつでもどこでも身近に得られるシーンは沢山あるはずです。
米国株式への投資は難しくありません。
日本株式への投資と同じように、身近な生活の中から得られる情報で優良な企業を見つけられるますし、アメリカには「この会社の株式は優良である」と選出されている銘柄も明らかになっています。
そもそも米国株への投資って儲かるのか?
日本株と米国株の比較
日本株と米国株の比較をちょっとしてみます。
企業の経営スタイルの大胆な比較
まず最初に日本企業と米国企業の経営スタイルを大胆に比較してみます。
本当にザックリで大胆な比較ですが、日本企業は構成員である労働者も含めて「企業そのものを第一に考える」ものであり、一方の米国企業は「株主の利益を第一に考える」ものであることが分かります。
ちょっと小難しい用語を使いますと、日本企業の多くは「公益資本主義」を標榜し、一方の米国企業は「株主資本主義」であることを標榜しています。
公益資本主義とは、「企業を社会的存在ととらえ、株主の利益のみを優先するのではなく、顧客・取引先・地域社会などの利害関係者全般への貢献を重視する考え方」
株主資本主義とは、「株主利益の追求を最優先とする考え方。利益追求のための人員削減や、市場での規制緩和の働きかけなどが肯定される。」
一般的な見地からは、企業のあり方として「公益資本主義」的な企業の方が素晴らしいと思えますが、投資家としての見地からは、間違いなく「株主資本主義」の方がいいですよね。
株価の推移の比較
次に株価推移を長期チャートで比較してみます。
(クリックで画像拡大。それぞれのMax期間で表示していますので、表示期間が異っています。)
<S&P500>
<日経225>
なんだかもうすでに勝負ついてますよね。。
横軸の価格が、S&P500は米ドル表示、日経225は円表示となってますが、株価推移の方向性が全然別モノです。
より分かりやすくするために日経225のチャートにS&P500を組み込んでみましょう。
<N225 vs S&P500>
はい、もう完全に勝負ついてますね。
バブルの最盛期であった1990年前後は日本株が米国株に勝ってましたが、バブル崩壊以降の株価の格差はもう見てのとおりです。
為替相場の変動など、いろいろな要素はありますが、少なくとも米国株は2000年から始まったITバブルの崩壊、2008年のリーマン・ショックという2つの大暴落を経てもなお、右肩上がりの成長を続けています。
その他の米国株式を取り巻く成長要因
株価推移の比較で「そもそも米国株への投資は儲かるのか」に対する答えは出ていますが、さらにその答えを補強する材料は以下のとおり。
- 成熟市場と言われる先進国のなかでも力強く継続的な人口の増加
米国は、出生による自然増に加え移民による増もあり、力強く継続的に人口が増加している。 - 多種多様な商品・サービスを消費する層が幅広く存在
自国内に先進国的な人口の層(富裕層)から新興国的な人口の層(貧困層)を抱え、高額・高級な製品・サービスから安価・汎用な製品・サービスまで幅広く消費する層がある。 - シェールガス革命によるエネルギー自給率の大幅上昇と長期の経済成長効果
自国での天然ガス・原油の生産量が飛躍的に増大し、エネルギー自給率が上昇することで、安全保障政策の見直しが可能(中東から安定的に石油を輸入するために軍事介入する必要が薄れる。)となり、原油の輸入量減少は貿易赤字の縮小へと繋がり、エネルギー価格が低位安定すれば製造業の国内回帰や雇用回復へと繋がっていき、長期に渡り米国経済に恩恵をもたらす。(なんだか、風が吹けば桶屋が儲かる、みたいですが。。)
最近、多くの大家さんが購入している高利回り投資信託のひとつとして、エネルギー関連事業等に投資するMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ:共同投資事業形態)投信がありますが、これもシェールガス革命によって出てきたREITみたいな金融商品です。
シェールガス革命関連については、今後いろいろな投資のなかでも取り上げられることが多いでしょうから、以下のものを一読しておくといいかもしれません。
- アメリカ経済を読み解く鍵!シェールガス革命とその影響とは?
- シェールガス革命がもたらす米国産業界への影響
どんな米国株に投資すればいいのか
米国株への投資が理にかなったものであることは、ご理解頂けたと思います。
しかし、アメリカの証券市場(ニューヨーク証券取引所:アメリカ最大の証券取引所)に上場している企業は約2,800社にもなります。
その約2,800社から、どんな米国株を購入するのが良いのでしょうか。
NYダウ(ダウ工業株30種)構成銘柄
冒頭、「アメリカには、この会社の株式は優良である、と選出されている銘柄も明らかになっています。」と書きましたが、それがNYダウ(ダウ工業株30種平均)に選出されている個別企業の銘柄になります。
NYダウ(ダウ工業株30種平均)とは、アメリカの経済関連の出版社で、世界最大の経済新聞「ウォールストリート・ジャーナル」の発行元であるダウ・ジョーンズが米国を代表する優良30銘柄を選出し、指数化したものです。
したがって、この指数を構成する銘柄は、ダウ・ジョーンズが米国を代表する優良な30社と認定した銘柄ということになるわけです。
ウォール・ストリート・ジャーナルの編集担当者たちが、膨大な数の企業の中から、企業の継続的な成長性や投資家たちの関心を考慮に入れて選出したものが、NYダウ(ダウ工業株30種平均)の構成銘柄です。
初めて米国株に投資する銘柄としては、NYダウ(ダウ工業株30種平均)の構成銘柄を候補にすれば間違いないはずです。
<NYダウ(ダウ工業株30種平均)の構成銘柄>
- Visa「Visa Inc. (V)」
- ゴールドマン・サックス・グループ「The Goldman Sachs Group, Inc. (GS)」
- IBM「International Business Machines Corporation (IBM)」
- 3M「3M Company (MMM)」
- ボーイング「The Boeing Company (BA)」
- シュブロン「Chevron Corporation (CVX)」
- ユナイテッド・テクノロジーズ「United Technologies Corporation (UTX)」
- ジョンソン・エンド・ジョンソン「Johnson & Johnson (JNJ)」
- キャタピラー「Caterpillar Inc. (CAT)」
- ホーム・デポ「The Home Depot, Inc. (HD)」
- エクソンモービル「Exxon Mobil Corporation (XOM)」
- マクドナルド「McDonald’s Corp. (MCD)」
- ユナイテッド・ヘルスグループ「UnitedHealth Group Incorporated (UNH)」
- ナイキ「Nike, Inc. (NKE)」
- ウォルト・ディズニー「The Walt Disney Company (DIS)」
- アメリカン・エキスプレス「American Express Company (AXP)」
- プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー「The Procter & Gamble Company (PG)」
- ウォルマート・ストアーズ「Wal-Mart Stores Inc. (WMT)」
- イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール「E. I. du Pont de Nemours and Company (DD)」
- JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー「JPMorgan Chase & Co. (JPM)」
- メルク「Merck & Co. Inc. (MRK)」
- ベライゾン・コミュニケーション「Verizon Communications Inc. (VZ)」
- マイクロソフト「Microsoft Corporation (MSFT)」
- ザ コカ・コーラ・カンパニー「The Coca-Cola Company (KO)」
- AT&T「AT&T, Inc. (T)」
- インテル「Intel Corporation (INTC)」
- ファイザー「Pfizer Inc. (PFE)」
- ゼネラル・エレクトリック「General Electric Company (GE)」
- シスコシステムズ「Cisco Systems, Inc. (CSCO)」
(ロイターによるカタカナ表記、H26.10.24の株価順)
どうでしょうか。
NYダウ(ダウ工業株30種平均)の構成銘柄には、随分と馴染みの深い企業が名を連ねていると思いませんか?
いずれもグローバルな企業ですから、その企業が提供する製品やサービスの内容、企業動向なども「情報が少なくてよく分からない」っていうような企業じゃないですよね。
しかも、太字表記にしてある銘柄は、配当利回りが3%以上もある(H26.10.24現在)銘柄です。
NYダウ(ダウ工業株30種平均)の構成銘柄で、自分がその企業の事業内容を良く知っているものの中(でもVisaカードとか、ディズニーとか、ナイキとか、P&Gとか、知ってるものばかりですよね。)から、自分が考える事業の将来性や高い配当利回りを実現しているものなどを選んでいけば、銘柄選びで悩む必要ないですよね。
バフェット銘柄
「世界で一番著名な投資家は誰だ?」という質問に、多くの人が名前を思い浮かべる投資家が「ウォーレン・バフェット」といわれています。
ウォーレン・バフェットは、長期投資を基本として40年以上一貫して毎年20%前後のリターンを継続的に生み続けてきたことで巨額の資産を形成してきた投資家で、世界最大の投資持ち株会社であるバークシャー・ハサウェイの最高経営責任者です。
このバフェット率いるバークシャー・ハサウェイが投資する銘柄を俗に「バフェット銘柄」といい、多くの投資家がこのバフェット銘柄を自分のポートフォリオに組み入れているといわれています。
考えてみれば当たり前ですよね。
世界一の投資家と同じ銘柄に投資すれば、勝てることが約束されているようなものですから。
では、どんな銘柄がバフェット銘柄なんでしょうか。
- ウェルズ・ファーゴ「Wells Fargo & Company (WFC)」
- ザ コカ・コーラ・カンパニー「The Coca-Cola Company (KO)」
- IBM「International Business Machines Corporation (IBM)」
- アメリカン・エキスプレス「American Express Company (AXP)」
- プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー「The Procter & Gamble Company (PG)」
- ウォルマート・ストアーズ「Wal-Mart Stores Inc. (WMT)」
- エクソンモービル「Exxon Mobil Corporation (XOM)」
- ユー・エス・バンコープ「U.S. Bancorp (USB)」
- ディレク・ティービー「DIRECTV (DTV)」
- ダビータ・ヘルスケア・パートナーズ「DaVita HealthCare Partners Inc. (DVA)」
どうでしょう。
結構、NYダウとダブっている銘柄もあると思いませんか。
そして、太字表記はNYダウと同じく、配当利回り3%以上の銘柄ですが、これは全てNYダウ銘柄とダブってます。
米国で最古の経済新聞ウォールストリート・ジャーナルの記者が膨大な企業群から優良企業として選出したNYダウ銘柄と、世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェットが投資している銘柄の上位10社が分かれば、もう米国株の銘柄選びで悩むことはないはずです。
はい、超鉄板な高配当で優良な米国株の銘柄をNYダウとバフェットさんに教えて頂きました。
鋼鉄のように硬い米国株銘柄
もうひとつ米国株の凄い点を加味して、超鉄板どころか、鋼鉄のように硬い米国株銘柄を選出しましょう。
米国株の凄いところは、創業数十年という老舗企業が多いということと、さらにその中には数十年間も連続増配をしている企業が存在し、さらに高利回り配当である、ということです。(配当利回りは、いずれもH26.10.24時点)
まさに株主資本主義な銘柄です。
- プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー「The Procter & Gamble Company (PG)」
連続増配58年、配当利回り3.1% - ザ コカ・コーラ・カンパニー「The Coca-Cola Company (KO)」
連続増配50年、配当利回り3.0% - ジョンソン・エンド・ジョンソン「Johnson & Johnson (JNJ)」
連続増配50年、配当利回り2.8% - マクドナルド「McDonald’s Corp. (MCD)」
連続増配36年、配当利回り3.7% - AT&T「AT&T, Inc. (T)」
連続増配28年、配当利回り5.3%
NYダウ構成銘柄、バフェット銘柄、配当利回り3%以上、長期連続増配銘柄、この全てを網羅する銘柄は「「The Procter & Gamble Company (PG)」と「The Coca-Cola Company (KO)」になります。
この二つを極めて素人的かつ常識的に考えてみると「ひとつの強烈なブランド商品よりも、多種多彩なブランドを持ち幅広い商品群を有する」という理由から、鋼鉄のように硬い米国株銘柄は「The Procter & Gamble Company (PG)」といっていいんじゃないでしょうか。
洗剤やトイレタリー商品など、あらゆる生活シーンで毎日お世話になっているP&G、おススメです。
あなたの米国株投資の参考にどうぞw
コメント
こんにちは
お聞きしますが、中間選挙のアノマリーの記事ですが、40数パーセントが2014年の底からあがるといういみですか?それともどういういみですか
教えていただけませんか
コメントありがとうございます。
40数パーセントですが、2014年の底を100とした場合、140数パーセントにまで上がるというイメージです。
ただし、どの個別株もすべてがそうなるのか、というわけではなく、ワタクシが確認したものはダウ工業株の指数で見た場合の数字感ですね。
ですので、2014年の底でNYダウを$100購入した場合、$140ぐらいになるタイミングがあるということとご理解ください。