四季報「秋号」:芝浦電子

日本株投資

今年の主力銘柄である「芝浦電子」の状況です。

四季報「秋号」芝浦電子

コメント

【最高益】
売上構成比率が高い自動車向けや空調機器向けが海外含め好調。給湯器など住設機器向けも着実増。タイ、福島ほか国内外で増産続く。工場自動化が寄与。人件費、研究開発費増こなし、営業連続増益

【増設】
タイ新工場が7月稼働、福島増設含め今年度設備投資2・3倍へ。新材料やAI・ロボット関連で産学協同を深める。前期黒字化した米州は自動車向け拡充

主な指標

時価総額:384億円

予想PER:13.96倍

予想PBR:1.64倍

自己資本比率:69.72%

予想EPS:356.80円

所感

コメント概要も「最高益」「増設」とほぼ最上位のモノを獲得しており、その内容も企業の着実な成長を見て取った記者の実感を反映している様子です。

もともと、タイの新工場が企業業績に寄与することは分かっていましたが、「工場自動化が増産に寄与」しているというのは新しい吉報でした。

工場の増設などで設備投資が2.3倍となり、増産体制をさらに拡充していても旺盛な需要にはまだまだといった状況ですね。

IR窓口への質問と回答

先月発表された決算短信の内容において、大幅な売上増を達成しながらも利益がそれほど伸びていない状況でしたので、IR窓口に問い合わせをしました。

質問

先週発表された第1四半期決算短信について、対前年同期比で売上が大きく伸びているにもかかわらず、営業利益の伸びはいまひとつ、経常利益についてはマイナスとなっていますが、その要因について株主総会でご質問するタイミングまで待てないので教えてください。

1.短信を見た限り、営業利益については、営業費用の「その他」が大きく増えているところ、経常利益については「為替差損」が異常なほど増えているところが大きなポイントのように感じますので、その数字の悪化の具体的内容を教えてください。
(営業費用の「その他」は一体何が増えたのか?特殊要因なのか継続的要因になりそうなか?為替はいくらで想定していたものが、いくらになったのか?等)

2.上記以外の理由があれば、教えてください。

芝浦電子の回答

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
芝浦電子 IR・広報室でございます。

第1四半期の売上高の増加に対して、営業利益、経常利益が伸びなかった点につきまして、ご回答申し上げます。

今期は特に空調関連が好調で、お客様の納期に対応するために、増員、残業、終日出勤、等を行ったため、人件費・経費が嵩み、売上原価が増加しました。

また、納期対応のため、飛行機での輸送を多く利用した為、売上原価が増加しました。

営業費用の「その他」の増加につきましては、種々内訳がありますので、一概にはいえませんが、上記、納期対応の費用のうちの、販管費分の増加が大きな要因です。

弊社は、中国とタイに製造拠点、販売拠点がありますが、中国元とタイバーツが、円に対して下落したため55百万円の為替差損となりました。(ドルとユーロは今回はわずかですが差益でした。)

今後ともよろしくお願い申し上げます。

回答を受けて

IR窓口への問い合わせメールでここまで詳しく記載して頂きましたので、数字の疑問点が全て解消しました。

売上原価上昇の背景とその理由、為替の状況が経常利益に大きなインパクトを与える、といったところですが、ちょっと心配なのは新興国通貨の下落ですね。

現在は小康状態になっていますが、米中の貿易戦争は継続中ですし、米ドルの利上げによる新興国から米国への大きな資金循環が起きているのが現在の世界情勢です。

そうすると中国元とタイバーツの円に対する上昇もあまり期待できそうもないですから、本業の売上高は堅調に推移したとしても経常利益は為替によって期待外れの内容になってします可能性も否定できないといった状況です。

大きな方向性としての企業動向は心配はないものの、次の第2四半期決算短信の内容次第では、投下資金の減額も考えていく必要があるかもしれません。

株価チャート

株価の日足チャートを見てみると、一番底、二番底を確認した後にジリジリと株価が揉まれた後、先週に急上昇が始まり「赤3兵」も示現。上値の抵抗線となりそうな4,820円をクリアしたと思ったら、節目の株価5,000円まで突破しています。

IR窓口で判明した中国元とタイバーツの影響の大きさは心配ではあるものの、このチャートの動きと四季報「秋号」の内容を鑑みると、安定した株価5,000円台の推移と株価6,000円超えに向けての動きになっていってくれるのではないかと考えます。

コメント

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