2月下旬から3月15日までは確定申告に悩まされる季節です。
毎月、キチンと支出と収入を会計ソフトに投入しておけば何も悩む必要はないんですが、そんな人はほぼ皆無でしょう。
大家業の場合、他の商売のように在庫や棚卸しといった作業がないので、楽と言えば楽なんだとは思いますが、物件を売却したりした場合はいつも使わないような数字を確定申告の際に準備しなければならないのでやや勝手が違うと思います。
今回は、1000万円の特別控除特例の対象となる平成21年及び平成22年に取得した投資物件を売却した際、確定申告に必要となる事柄や数字などについて、簡単に記述していきます。
「平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除」
「平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除」の具体的な国税庁の解説はこちらになりますが、これはマンションなどの区分所有物件も対象となります。
マンションなどの区分所有物件を購入した際には、土地の部分に敷地の10000分の952等の記載があった上でマンション全体の土地の地番と平米数が記載されています。
この10000分の952などがこの「土地等」の対象となり、具体的には売却によって得た利益のうち「土地等」に該当する割合分を1000万円までは特別に控除(課税対象とはしない)するというものです。
ですので、あたかも平成21年か平成22年に購入した土地を売却した時にしか使えない特別控除のようにみえますが、普通のマンションも特別控除の対象(ただし、あくまでも建物以外の土地等の部分の利益が対象)となります。
ですので、該当の年に購入した物件を売却した方は必ず特別控除の適用申告をするべきだと思います。
(平成21年に取得した土地等は平成27年以降に、また、平成22年に取得した土地等は平成28年以降に売却することが条件ですが、本記事の記載が平成30年3月6日ですので問題ないでしょう。)
確定申告で必要となる項目
こちらの特別控除の適用を確定申告する際に必要となる項目は、
- 購入した時の価格
- 売買契約年月日と引渡し年月日
- 購入価格のうち土地等と建物、それぞれの価格
- 売却まで減価償却してきた額(累積減価償却額)
- 購入した際の売主の住所と名前
- 購入時に仲介した会社の住所と名称および仲介手数料
- 購入時(契約時)に必要となった収入印紙代
- 売却した時の価格
- 売却した価格のうち土地等と建物、それぞれの価格
- 売却時に仲介した会社の住所と名称および仲介手数料
- 売却時(契約時)に必要となった収入印紙代
となります。
購入時の売主の住所や名前などはすぐ出てこないとは思いますが、この特例控除の適用申告をする際には「平成21年および平成22年に取得した事実」が分るよう登記事項証明書や購入時の契約書の写し等を添付資料として税務署に提出(e-TAXで申告した際でも別途、郵送あるいは窓口提出必須)しなければなりませんので、その購入時の契約書を見れば問題なく記載できると思います。
また、購入時の土地等と建物の内訳価格や累積減価償却額などは、ご使用になっている会計ソフトの減価償却固定資産等のメニューから確認できるとはずです。
売却した価格の土地等と建物の内訳価格の算出は、直近の固定資産評価額などから土地と建物の割合を求め、売却価格へ乗じればいいだけです。
判定Q&A
また、e-TAXのWEB申告では、この「平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除」の特例に合致するかどうかを判断する質問に回答するページが最初に出てきます。
それぞれ普通に回答をしていけばよいので特に悩む必要もないと思います。
なお、あくまでも平成21年及び平成22年に「取得」した土地等が対象となりますので、平成22年の11月や12月に購入契約をしても実際の引渡し決裁日が平成23年1月1日以降であれば本特例の対象外となりますので、ご注意ください。
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